2-4 下水汚泥のエネルギーポテンシャル

下水汚泥は人間生活に伴い必ず発生し、量・質ともに安定したバイオマスであり、また、下水処理場で発生しているため、新たな収集エネルギーを必要としない集約型バイオマスという側面もあります。さらに、主にエネルギーの需要地である都市部において発生する都市型バイオマスといった特徴を有しており、利活用に適したバイオマスであると言えます1)

その下水汚泥及び消化ガスが、どの程度のエネルギーポテンシャルを有しているか、以下に整理します。

(1)下水汚泥
下水汚泥の発熱量は、19MJ/DS-kg(4,500kcal/DS-kg)です1。国土交通省調査より、平成22年度の我が国の下水汚泥発生量が約227万DS-tであることから、我が国で発生する下水汚泥の総発熱量は約43PJとなり、原油換算で約110万kLに相当します。

19×106(J/DS-kg)×227×104×103(DS-kg)=43(PJ)

また、乾燥汚泥や炭化汚泥を石炭代替燃料として利用する取り組みが実用化されていることから、上記の熱量を石炭(輸入一般炭の熱量:27MJ/kg1))に換算すると約160万tとなり、2008年度の国内石炭消費量の約0.9%に相当します5)

(2)消化ガス
我が国の下水処理場で発生する汚泥をすべて嫌気性消化に供したとして、1年間に下水汚泥から回収可能な消化ガス量を以下に示す前提条件で試算すると約10億Nm3となり、その総熱量は約22(PJ)で、原油換算で約56万kLに相当します。

<前提条件>
下水汚泥中の有機物含有率(%):80
ガス発生量原単位(Nm3/kg-投入有機物):0.556)
消化ガスの熱量(MJ/Nm3):227)
A重油の単位熱量(39.1MJ/L)8)

<試算結果>
227×104×103(DS-kg)×0.8×0.55(Nm3/kg-投入有機物)=10億Nm3
10×108(Nm3)×22×106(J/Nm3)=22(PJ)
22PJ ÷ 39.1MJ/L = 56万kL