下水道の歴史
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「水は地球の宝もの」コーナーの最後は、下水道の歴史の紹介だよ。下水道って、どこで生まれて、どういうふうに発展してきたんだろう?一緒に見てみよう! |
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世界の下水道の歴史
世界でもっとも古い下水道は、今からおよそ4000年もむかし(紀元前2000年ころ)に古代インドやメソポタミアで作られたといわれています。
▼ 古代の下水道の遺跡(いせき) |
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モヘンジョ・ダロ(紀元前2000年ころ、インダス川のまわりにさかえた古代インダス文明の都市 今のパキスタン)の下水を流していた溝(みぞ)。 [写真]松井三郎(まついさぶろう) 京都大学教授(きょうじゅ) |
▼ 下水をしみこませていた「ます」 |
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モヘンジョ・ダロの家々から流された下水をこの「ます」に受け入れ、地中にしみこませていました。残った大きなごみなどは、定期的(ていきてき)に処分していたものと思われています。 [写真]松井三郎(まついさぶろう) 京都大学教授(きょうじゅ) |
その後、どこの都市でもせまい地域にたくさんの人が住むようになりましたが、下水道が十分に発達していなかったため、汚物は道路や公園に捨てられました。 そのため衛生状態(えいせいじょうたい)が悪くなり、ペストなどの伝せん病が流行しました。
19世紀には世界各地でコレラが大流行し、なかでもイギリスのロンドンでは2万人近い人が死にました。この経験から、ロンドンをはじめ世界各地で下水道が作られるようになりましたが、現在のように微生物(びせいぶつ)を利用して汚れた水をきれいにするしくみが開発されたのは、比較的(ひかくてき)最近である1914年(大正3年)のことです。 |
▼下水道ができる前は… |
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フランスのパリは、古い歴史のある都市ですが、1400年ころには道路に汚物が投げ捨てられていました。 |
日本の下水道の歴史
日本で最初の下水道は、弥生時代(約2200年前)の大きな集落に見ることができます。
奈良時代(約1300年前)の平城京(へいじょうきょう)には、網の目のような排水路(はいすいろ)がまちの中に作られています。安土桃山(あづちももやま)時代には、大阪城の城下町に太閤下水(たいこうげすい)が作られ、今でも使われています。
▼ 太閤下水(たいこうげすい) 大阪市 |
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当時は写真のような天井のふたはなく、溝のまま使われていました。明治時代に、溝の上に道路がよこぎるため石のふたがとりつけられて、現在のような形になりました。 |
日本人の手によって作られたヨーロッパ式の最初の下水道は、1884年(明治17年)に東京の神田(かんだ)地区に作られた神田下水であり、日本で最初の下水処理場は1922年(大正11年)に完成した三河島処理場(みかわしましょりじょう)です。
▼ 神田下水(かんだげすい) 東京都 |
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▼ 三河島処理場(みかわしましょりじょう) 東京都 1934年(昭和9年)ころ |
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1955年(昭和30年)ころから工場の排水などによる川の汚れが目立つようになったため、下水道は、まちの中をきれいにするだけでなく、川や海の汚れをふせぐ環境保全(かんきょうほぜん)という大事な役割(やくわり)も、もつようになりました。
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下水道が「環境保全」という役割をもったことで、そのころ悪臭(あくしゅう)をただよわせていた東京の隅田川などをはじめとする全国の河川が、だんだんときれいになっていったんだ。下水道ってすごいね。
次は、もっと詳しく下水道のことがわかるコーナー「下水道を知ろう」にいってみるよ! |
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