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公開日:2021.01.04
 

会長挨拶:令和3年の年頭によせて

新年明けましておめでとうございます。

皆様方には、日頃より本会の活動に格別のご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年は一にも二にも、新型コロナウイルス感染症の対応に追われた一年でした。47日には緊急事態宣言が発令され、我々の生活は極めて大きな方向転換を余儀なくされました。そして、その最中に「令和27月豪雨」が発生し、記録的な大雨や暴風により、九州地方をはじめとして各地で甚大な被害が発生しました。改めて新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々及び豪雨災害により命を落とされた方々に、謹んで哀悼の意を表します。

さて、下水道は、公衆衛生の確保、生活環境の改善、公共用水域の水質保全及び浸水の防除に不可欠かつ重要な社会基盤であります。下水道の機能を継続的かつ効果的に発揮させるためには、浸水対策、地震・津波対策、老朽化対策、未普及対策、合流式下水道の改善、下水道資源の活用、広域化・共同化の推進、民間活力の導入及び国際展開等、非常に多くの施策を進めていく必要があります。

令和2年度が最終年度となる「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により、防災のための重要インフラ、国民生活を支える重要インフラについては、必要な措置が講じられました。しかし、先述の「令和27月豪雨」の甚大な被害を受けて、気候変動による影響を踏まえた流域治水の考え方に基づく浸水対策の一層の加速化が来年度以降も求められております。また、新型コロナウイルス感染症対策のため緊急に必要な公衆衛生の強化はもちろんのこと、「水環境学会タスクフォース」が実施している下水中の新型コロナウイルスの調査・分析など感染症対策に積極的に貢献しようとする取組にも期待が集まるところです。さらには、人口減少・施設の老朽化などの課題に対応し、下水道事業の持続性を向上させるため、デジタルトランスフォーメーションに係る技術開発なども求められているところです。

昨年の新春号の巻頭言において、私は、「ダイバーシティ」「多面的に物事を見ていくことが求められる」といった言葉で、加速するグローバル化の時代を表現しました。しかし、突如発生した新型コロナウイルス感染症の問題は、グローバル化の進展に対する強烈なアンチテーゼとしての側面を持っています。このような状況は一年前の今頃は想像だにできませんでした。経済活動の停滞に起因する社会の進歩のスピードは、一時的に低下してしまうことも想定されます。

このような時だからこそ発想の転換が必要です。今、我々にできることは、「災い転じて福と為す」の精神で、改めて足元を見つめなおし、前向きに目の前の事象に取り組んでいくことではないでしょうか。

今号の特集テーマは「広報」を取り扱ったものであり、様々な事業体における新しい広報活動の数々が紹介されており、新春号に相応しく明るい内容となっております。読者の皆様の事業体におかれましても、是非、明るく前向きに下水道広報を実施していただき、ともに下水道界を盛り上げていきましょう。

最後になりますが、本会事業について、関係各位のご支援・ご協力をお願い申し上げますとともに、下水道界の益々の発展、皆様方のご健勝、そして新型コロナウイルス感染症の少しでも早い収束を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

日本下水道協会会長 大森 雅夫(下水道協会誌 1月号 巻頭言)

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